亘

リッチーとの一日の亘のレビュー・感想・評価

リッチーとの一日(2012年製作の映画)
3.7
【助けを求められること】
金も友人も恋人もいないリッチーは、1人自殺を図ろうとしていた。そこに疎遠になっていた妹マギーから姪のソフィアを預かってくれないかと電話が来る。それは彼にとって新たな日の始まりだった。

人生をあきらめた男の再スタートを描いたショートフィルム。やはり見どころはリッチーとソフィアの、おじ・姪コンビのやり取りだろう。口を閉ざすリッチーにソフィアがどんどん詰め寄る。その結果リッチー自身も変わるしソフィアの表情も明るくなる。特にボウリング場のシーンはソフィアも楽しそうだしリッチーにとっても世界が変わって見える。

終盤妹のマギーと会うけれどもマギーもまた表情が固くて暗い。そんな彼女を今度はリッチーが、ソフィアからもらった力で後押しする。リッチー自身かつては妹に助けられていて情けなかったのだろう。しかし今度はマギーが助けを求められていなくて困っている。だからこそラストシーンは、リッチーは他人に助けを求められて生きがいを見つけたし、マギーもやっと助けを求めることができた。希望が見られるラストだった。

ところどころはしょった感のある個所もあったけど、この作品を基にした長編
”Before I Disappear”も見てみたい。
亘