爆裂BOX

アイス・スパイダーの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

アイス・スパイダー(2007年製作の映画)
3.6
遺伝子組み換えで生まれた巨大クモ達がスキー場を襲撃。元プロスキーヤーでインストラクターのダッシュや、強化合宿で訪れたスキー選手たちが生き残りをかけた戦いを挑む…というストーリー。
「ザ・ゲート」や「スパイダーVSマン」のティボー・タカクス監督による雪山を舞台にしたクモパニック映画です。
本作のクモは強靭な糸を防弾ベスト開発に使用するべく発見された先史時代のクモの化石のDNAを現代のクモに組み込んで、更に糸の量を増やす為に巨大化させたもので、寒さに弱いから大丈夫なはずが進化して寒さに強くなったみたいですね。クモはCGで表現されてますが、ゴムのおもちゃの様なテカリ具合でかなり稚拙な作りです。巨大と言っても大きさも中型犬くらいでそこまでデカくないですね。黒だけじゃなく赤と黒や茶色、灰色、黄緑色や黄色等6匹其々色が違うので見分け付きやすいのは面白いですね。攻撃方法は主に飛び掛かって噛みつく物理攻撃で、偶に糸吐いたりします。冒頭から出し惜しみなく登場して人を襲っていく所は良いですね。スキー場に現れてスキー客達を襲っていく所は結構楽しかった。
直接的な人体破壊シーンはないですが、犠牲者の死体はそこそこグロいですね。
主人公のダッシュ役は「スターシップ・トゥルパーズ」のパトリック・マルドゥーン、近監督の「スパイダーVSマン」にも主演してますね。元プロスキーヤーの設定は最後のクモ引き連れての滑走シーンに活かされてましたが、ここは別撮りなのかかっこ良かったですね。ヒロインで元凶の研究に関わってたダッシュが気がある女性科学者役で「キャンディマン」のヴァネッサ・ウィリアムズも出演してます。登場人物の中ではダッシュの上司で選手達救うために頑張るフランクが好印象だったかな。最初生意気な若者って感じだったチャドも外に出て運転手の死体から鍵とって来たり、最後もダッシュにリスペクト捧げたりといい奴になったのも良かったな。黒幕の博士の最後の言い分も理解はできる所あるかな。軍人リーダーは終始まともな感じでしたね。
この手のモンスター映画にしては結構生存者多いですね。スキー客達もロッジに籠城してからは新婚夫婦以外ほぼ襲われないし、強化合宿で来たスキー選手たちもほぼ全員生き残りましたね。重傷負った人も交通事故でだし。黒幕の博士に捕獲命じられた軍人たちも一人しか犠牲にならないのは意外でした。絶対全員やられると思ったのに。この生き残りの長はちょっと意外でしたね。
雪山のロッジ周辺が舞台になってるのでアクションは地味ですが、鹿の角でクモメッタ刺しにする所は面白かった。
最後に唐突に登場する軍隊は一体何だったんだろう?特に何の説明もないまま終わったけど。生き残ったクモ連れてったのは一応続編フラグ建てたのかな?あれだけ犠牲者出たけどほぼクモ倒して解決したからハッピーエンド!ってラストは如何にもアメリカ~!って感じのノリで割と好きです。
そこそこのモンスター映画作る人だけあって本作も普通に楽しめるクモ映画でした。