MasahideYoshida

6才のボクが、大人になるまで。のMasahideYoshidaのレビュー・感想・評価

4.5
2014年公開
監督:リチャード・リンクレイター
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アメリカに住むとあるふつうの6歳男子が、親元を巣立っていくまでの成長を描いたお話。

リンクレイター監督といえば「ビフォア~」シリーズもそうなんですけど、農耕系というか、なんせ撮影の時間軸が他の監督の映画作りとは全く違う人なわけで、これも本当に6歳が18歳になるまで12年間撮りためたというんだからすごい。アイデア自体はまあまあすぐに思いつくかもしれないんだけど、「もし子役がリタイアしたらどうするんだ」とか、そういうリスクを全部撮ってやるっていうのがね。そう、リスクを12年分先にとってるのが、頭が下がるなあという、クリエーティブに対しての姿勢という意味での評価が一つ。

もう一つは、「アメリカ」がものすごくよくわかる作品だということ。家族の定義がいかにリキッドであるか、ゆえに残っていく人の縁ひとつひとつに愛憎含めた意味が濃くあるなあということ。距離に対しての感覚。若者性。いろんなことがものすごく風俗としてよくわかる。その情報価値の高さが素晴らしいなと。


息子が巣立つ日の、意味の分からない母親のいら立ちが個人的には一番切なくて愛おしいなと思いました。家族は大事。

2015年10月28日