やむちゃ

ジョン・ウィックのやむちゃのレビュー・感想・評価

ジョン・ウィック(2014年製作の映画)
3.9
備忘録
劇場公開時は体調不良で観に行けなかったので、UHDのブルーレイ(1&2)を購入して鑑賞。

キアヌ・リーブス主演、チャド・スタエルスキ監督のアクション映画。
かつて凄腕の殺し屋で、今は静かに暮らすジョン・ウィック(キアヌ)が、ロシアンマフィアのボンクラ息子に、亡き妻からプレゼントされた子犬を殺され、愛車を盗まれたことから、裏社会に舞い戻り復讐を果たすお話。

スティーブン・セガールやリーアム・ニーソンの一連の作品や、イコライザーやMr.ノーバディ同様、チンピラが絡んだ相手が実はとんでもなく強かったパターンの作品だが、今作はボンクラ息子以外はジョン・ウィックの怖さを十分知っており、父親のマフィアのボスは、序盤はなんとか事を丸く収めようとする。それが無理だとわかった段階で先手を打とうとするが、ジョン・ウィックの能力はそれを遥かに超越しており、驚くほど手際よく敵の手下を始末していく。

アクション専門家チャド・スタエルスキの作品らしく、拳銃での攻撃は一発目で動きを止め、二発目を必ず頭に打ち込んでとどめを刺すといった実践的な方法。
また組技で相手の自由を奪った場合は、そのままで遠方の敵をまず射殺、その後に組んだ(拘束している)敵を射殺するといった、リアルな闘い方を見せる。
拳銃も無限に弾は出ず、定期的に弾倉を入れ替えるシーンを挟み、現実感を増している。
こうした動きをリズミカルに、流れるようなテンポで魅せるので、観ていて心地よい。

また中盤に登場する、殺し屋たちの集うコンチネンタルホテルが魅力的。
さまざまな掟によって秩序が保ちながら、厳かな雰囲気を漂わせている。
オーナーやコンシェルジュはジョンの良き理解者で、さりげない気配りや優しさを見せてくれ、この作品でホッとできるポイントになっている。
今作がヒットしたおかげでシリーズ化され、コンチネンタルホテルや組織の設定が肉付け(後付け?)されて行く。

同僚の殺し屋役のウィレム・デフォーも、ジョン・ウィックの始末を命じられながらも、危機を救う兄貴分的な空気感が嬉しい(その結果、彼はひどい目にあってしまうけれど)。

マトリックス以降のキアヌ・リーブスの代表シリーズとなった。
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