千年女優

アントマンの千年女優のレビュー・感想・評価

アントマン(2015年製作の映画)
4.0
元凄腕の泥棒で、窃盗罪による3年間の服役生活を終えたスコット・ラング。前科を理由に世間や家族からの冷たい視線に晒され、再び仲間達と犯罪の道へと戻ろうとした彼が、元SHIELDで体のサイズを自在に操る初代アントマンであるハンク・ピムに見初められ、二代目アントマンへと成長していく様を描くMCU5作目のヒーロー誕生譚です。

MCUフェーズ2の最後を締める作品で、適任と思われたエドガー・ライトから監督が変わるゴタゴタはありながら、同型の物語を手掛けて来た彼らにとってはお家芸ともいえるもので安定のクオリティで、主人公であるスコットのキャラクターと同様に肩に力を入れず過剰にシリアスになりがちな英雄誕生譚をポップな味わいに仕上げています。

知的で冷静な大人が大半のアベンジャーズにあって陽気でおバカな立ち振る舞いのできるスコットはティーンエージャーのスパイダーマンと共にシリーズに艶やかな彩りを加えます。『エイジ・オブ・ウルトロン』と『シヴィル・ウォー』という内省的な二作の間に本作が挟まる事でシリーズ全体のバランスを取る巧みな戦略が伺える一作です。
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