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天才スピヴェットのrurのネタバレレビュー・内容・結末

天才スピヴェット(2013年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

予告編で期待したものをまったく裏切らない映画だった! すごく素敵だった。

シネ・リーブル梅田で3Dで鑑賞。2Dで見るつもりだったのに10時からの1回しか上映してませんでしたちょっと待って初3DだよSFXで見るもんじゃないんですか私眼鏡だし3D眼鏡とか鼻痛くなるじゃん値段も高くなるしやってらんない!
と、心の底から思ったんですが、始まってみたら画面綺麗綺麗。飛び出す飛び出す。字幕は見えにくいけど英語は分からないでもないので特に支障もなく。というか字幕は普通に邪魔だな!

と、だいぶ機嫌も直ってほのぼの見てたら途中でいきなりだっばーと涙に襲われました。これあかんやつ! 映画館で観たらあかんやつ! 周囲誰も泣いてない気がしたけど私が見たらあかんやつ!!

ヘレナボナム=カーターにやられた…。ずるいわ。あの人がキャスティングされているだけで、このお母さんが失格お母さんってことは分かるわけで実際とんでもなく失格なんだけど、TSと同じ種類の人間なのな。TSが家族から浮いているように感じているその感情を実はお母さんも、お父さんでさえ、持っているというのが伝わるシークエンスがあって、そこでもうあかんて! これあかんて!!ってなりました。

受賞スピーチでTSがずっと隠し持っていた死んでしまった弟に対する罪悪感がぶちまけられて、それが気持ちよく裏切られて、親は偉大だ!と思いました。でも殴り倒して解決にしちゃうのはどうもね。TSもお母さんも天才なんだしさ、もいうちょっとなんかこう…微妙に気に入らなかった。お父さんはいいけどね。

あとお姉ちゃんが微妙に好き。お母さんが女優押しなのも微妙に分かる。

最後のシークエンスの当たり前すぎる幸せさに眩暈がしそうでした。この作品すごく好きだあ!と思いました。家族ものに無条件に弱い人はハンカチ必須かなと思いますけど、微妙に泣きどころを外して笑えるように持ってきてはくれているので、よっぽど涙腺が弱い人じゃないと泣かないとは思いますが。確率的に言って僕の弟か妹はトースターの生まれ変わりに違いない、の素晴らしさ。壊れるトースターでさえ愛おしさを感じました。

初ジュネ監督だったけどめっちゃ素敵だった。予告編に愛おしさを感じた人は見てしまったほうがいいと思う!
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