“水滴のすごいところは最も抵抗の少ない経路を辿る事。人間とは全く逆なのだ。”
ジャン=ピエール・ジュネ監督の作品は本当に気取らないのにオシャレで優しくて心地よい。“アメリ”も好きだけどちょっと好きというにはガーリーすぎるから僕はこの映画を好きと言おう。天才君のロードトリップに留まらず、これは不器用な家族がお互いの心の穴を知らず知らずに埋めているという話。何回見ても温かいなぁ。
冒頭スピヴェットが電話越しに手話をするシーンから可愛すぎるし、モンタナからワシントンD.C.までのトリップは音楽と共にずっとニコニコ観れるし、ワシントン着いてからのスミソニアンでの出来事は感動してしまう。ヘレナ・ボナム=カーターはお母さんをやらせても素晴らしい。ラストの後ろ姿に言葉では言い表せない家族の繋がりがハッキリと見えていてすごく好き。
もちろんジャン監督独特のユーモアたっぷりで、お姉ちゃんの頭の中で会議が行われているところや、ホットドッグを禁止される回想シーンなどほとんど脈絡のないカットがこれまたセンスたっぷりで良いんだな。早く新作撮ってくれないかなぁルーカス・ヘッジズとか主役で(笑)。