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8月の家族たちのGINのレビュー・感想・評価

8月の家族たち(2013年製作の映画)
3.5
オスカー女優のメリル・ストリープとジュリア・ロバーツが母娘役で初共演し、ピュリッツァー賞とトニー賞を受賞したトレイシー・レッツの舞台演劇を映画化した作品。
父親の失踪を機に再会した家族の絆と葛藤を描いたブラック・コメディー。

2013年制作。
舞台は、オクラホマの片田舎。
父親の失踪報告からの湖での溺死の知らせに、闘病中で毒舌家の母ヴァイオレットの住む実家へ集まった三姉妹。
真面目な性格の長女バーバラは浮気した夫と別居中で、反抗期の娘にも手を焼いている。
一方、自由奔放な次女カレンは不審な婚約者を連れてきて、ひとり地元に残った三女アイヴィーも秘密の恋に夢中だ。
家族が1箇所に集結したことで、気の強い母親とそれぞれの人生を歩む娘たち、彼女達を取り巻く男達の本音が明らかとなり、次第に家族の秘密が暴かれていく―。

結構スパイスの効いた辛口の作品だ。
集まった家族や取り巻きの秘密の告白に、愛と裏切り…。
確かに舞台にはもってこいのドラマだった。

気が強く率直で毒舌家の母バイオレットと、生活も思惑もバラバラな家族達。
つい言わなくてもいい本音をぶつけあってしまい、隠しごとの数々が明るみになっていく。
話の中盤、家族一同で食事を摂るシーンあたりから、次第に会話による家族バトルが始まった😁
バイオレットの妹家族に、ネイティブアメリカンの家政婦も巻き込んで口頭のバトルはヒートアップしていく。
薬物中毒なのにバイオレットの洞察力恐るべしだね。
何があっても家族は家族、雨降って地固まるもんだと思って観ていたら、話は予想外の展開へ転んでいき、バラバラだった家族が修復出来ないかもしれないくらいにバラバラになってしまう結末に、流石にあきれてポカンとしてしまった。
最後のシーンは、バーバラが思い直して母親のもとに引き返していったもんだと思いたい。
そうじゃないと救いようがないよ、ホント。
流石に、笑えない。

俳優さんでは…
母バイオレット役のメリル・ストリープ、長女のバーバラ役のジュリア・ロバーツ他、ユアン・マクレガー、クリス・クーパー、ベネディクト・カンバーバッチ、ジュリエット・ルイスなど豪華キャストが共演!
そうそうたるメンツの会話劇は見応えがあった。
中でも、メリル・ストリープのセリフと演技は流石の貫禄だ。
泣かせ、笑わせ、怯えさせ…。
ほぼメリル・ストリープの独壇場だった。
オスカー女優の真髄を観た気がするよ。

個人的にはあまり好みの作品とは言えないけど、たまにはこういうのもアリだね😊
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