Jimmy

トゥルー・クライム殺人事件のJimmyのレビュー・感想・評価

4.8
久しぶりに面白いノワール映画を観た!
自殺に見せかけて女性秘書を殺した男の顔が反射する机の上に映し出されるオープニングから既に大胆な演出。素晴らしい!

冒頭の殺される秘書に近づく帽子をかぶった男の「影」、この描写も見事。
「こうしてハラハラドキドキさせてくれるのがノワール映画」だと思う。

この映画の邦題に付けられた「トゥルー・クライム」とは「実際にあった事件」を意味するのだが、ラジオ番組で実際の事件を語る番組が放送されている風景が印象的であり、その番組で殺人事件を語るのがクロード・レインズ。
本作はマイケル・カーティス監督作品なので、必然的に『カサブランカ』を思い出すと、そのつながりでクロード・レインズが出演していても自然な感じ。

クロード・レインズの姪が莫大な遺産を相続したが、その姪は船から転落死したはずなのだが実は生きていて、自宅に戻る。更に、彼女は自分の記憶に無いうちにやはり遺産相続で裕福な男と結婚していた。姪は自分が結婚したことを忘れてしまっている。この結婚相手の男は、妻である姪と一緒にクロード・レインズの屋敷に入り込むのだが、彼の真意は……。
そして、第2の殺人事件が、この屋敷で発生する。

本作は殺人事件とその犯人追及で盛り上げるだけでなく、カーチェイスなどのアクションシーンでも盛り上がり、本当に面白い映画であった。

また、車が左ハンドルなのに高速道路の料金所では車の右側から支払いをしていたので「アレッ」と思ったら、本作はイギリス映画であった。アメリカ映画風なのだが…。

マイケル・カーティス監督の傑作。
Jimmy

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