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プールサイド・デイズのYYamadaのレビュー・感想・評価

プールサイド・デイズ(2013年製作の映画)
3.8
【ヒューマンドラマのススメ】
 ~映画を通じて人生を学ぶ

◆作品名:
プールサイド・デイズ (2013)
◆主人公のポジション
母の恋人との関係に悩む少年
◆該当する人間感情
 失望、希望、積極性

〈本作の粗筋〉
・母親の新しい恋人トレントとの関係に悩む少年ダンカンは、夏の間トレントの別荘で過ごすことになる。
・トレント一家とまったくなじめないダンカンだったが、ある日オーウェンという明るくひょうきんな男と出会い、オーウェンの働くウォーターパークでアルバイトをすることに。ひと夏の出会いが、引っ込み思案だった彼を変えてゆく……。

〈見処〉
①あの夏、あの場所で、クソ熱い仲間に
 出会った。やる気ゼロ、社交性ゼロ
・『プールサイド・デイズ』(原題: The Way Way Back=ずっと後ろ向き)は、2013年に製作されたコメディ・ドラマ映画。アレクサンダー・ペイン監督の『ファミリー・ツリー』でペインとともに、アカデミー脚色賞を受賞したナット・ファクソンとジム・ラッシュの初監督作品。
・「お前は10点中、3点の男だ!」…共同監督のジム・ラッシュが14歳の時に継父から云われた経験を元にした本作は、冴えない内気な少年が、母親の新しい恋人とウォーターランドで過ごしたひと夏を描いた青春ドラマに仕上がっている。
・主人公の少年ダンカン役は『2012』のリアム・ジェームズ。共演は『リトル・ミス・サンシャイン』のスティーブ・カレル、トニ・コレットに加え、のちに『スリー・ビルボード』(2017)にてアカデミー助演男優賞に輝くサム・ロックウェル。

②結び…本作の見処は?
◎:「ジャケット写真ほどカッコよくない」…。猫背で内向き、性格もルックスもイケていない主人公の少年ダンカン。ひと夏の経験が彼に変化をもたらすが、ドラマチックな変貌でない点がリアリティを産んでいる。若き日に人間関係にうまくいかなかった経験がある鑑賞者の溜飲を下げる内容になっているはずだ。
◎: 主人公以外も、まさに適材適所のキャスティング。とくにサム・ロックウェルが与えるポジティブな配役と、スティーブ・カレルのクズぶりは必見。
○: 本作のロケ地は、マサチューセッツ州。「アメリカによくあるB級観光地」に見られる街並みやアトラクションには、いちど訪れてみたい。

③本作から得られる「人生の学び」
・周囲の人には小さな出来事と思えることも、本人にとっては大きなきっかけになることもある。
・影響を受けた青年よりも、本作のサム・ロックウェルのようにポジティブな影響を与える大人を目指そう。
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