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アイアン・メイデン 血の伯爵夫人バートリのMikiMickleのレビュー・感想・評価

3.0
エリザベート・バートリ。ハンガリー語ではバートリ・エルジェーベト。
自分の若さを保つために600人以上殺した異常殺人鬼で、ヴァンパイア伝説の元になった女性です。

時は16世紀
トランシルヴァニアの名門貴族の出で、ハンガリーの伯爵フェレンツ2世と結婚したエリザベート。
もともと、名門バートリ家は財産分与を恐れて近親婚が多かったため、遺伝疾患があったらしい。一族の中には淫乱性・癇癪もち・悪魔崇拝・残忍な兆候のある者が多い。←この時代、よくある事。
そして彼女もまた淫乱で、虐殺を繰り返します。
その過程と人生は省略。

彼女が何をしたかと言うと、侍女(最初は村人、しまいには貴族の娘まで)を殺し、その血を浴槽に貯めて入っていたのです。処女の血は美容と若返りに効果があるという説がありました。

また、爪の間にピンを刺す、焼けた火かき棒で焼く、針で口を縫う、手で口をさくなどの拷問や
肉を切り刻み、胸をえぐり、女性の性 器を切り取り、悦にひたっていたそうです。

そして、残虐拷問器具で有名なアイアン・メイデン(鉄の処女)を作らせます。人間より大きめの、装飾が施された鉄の女性の像。胸元が観音開きになり中は空洞。扉には鋭い針がいくつもついており、中に入ったら最後。死に絶えるまで血を絞りとられるのです。その血はもちろん浴槽に…

鉄の鳥籠もあります。高く吊り下げされたそれには鉄の棘があり、下から熱した火かき棒で女を焼き、暴れるとその棘が刺さりまた見悶える。その下でエリザベートは血のシャワーを浴びていました。

城の地下はまさに地獄絵図。

という、美にとりつかれた完全なる狂気の大量殺人鬼です。



さて、この映画。その残忍部分を期待してみたんだけど全っっっ然違って、その残虐の事実は実は彼女の領土を欲しがるトゥルゾ伯爵によって陥れられた罠であり、捕虜として連れてこられた宮廷画家メリージとの許されない愛の映画でした。
寂しさから、ダルヴュリアという魔術使いの調合した薬を服用し、現実と幻想の区別がつかなくなるエリザベート。次第に残忍な面も…
しかし、苦悩のなか、聡明で勇敢な彼女はトゥルゾと戦うのです。って話。

彼女の調査をする神父の使う発明品が面白かった♪
しかし、ホラー度ほぼ無し。アイアン・メイデンすらでてこなかった…

同じ内容で、ジュリー・デルビー主演・監督・脚本・製作『血の伯爵夫人』(2009)というのがあるけどDVDになってない。ダニエル・ブリュール出てる♪見たい…


しかし、史実は、残された情報が少なければ様々に変える事もできる可能性があるのですよね。この映画が正しいかどうかはおいといて。
MikiMickle

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