Yukenz

プリズナーズのYukenzのレビュー・感想・評価

プリズナーズ(2013年製作の映画)
3.9
「正義感」と「思い込み」が混じりあい結合すると、時として信じられない程の行動力を引き出す。そしてその行動力は自分が窮地に立たされている場合には「理性」を遥かに上まわる力となり身を突き動かす。さらに窮地の状態が継続すると、その衝動は程なくして「信念」に変わり自分の行動が正当化されていく・・・
 ヒュー・ジャックマン演じる主人公ケラーは、娘の失踪を解決出来ない警察の捜査状況に痺れを切らし、釈放された第一容疑者を拉致監禁し、独自の方法で尋問を開始する。当然、法では認められない行為であり、危うい行動が延々と続く。「娘が助けを求めているのは自分であり警察ではない、自分が解決しないと娘は命を失ってしまう、もう時間はないんだ・・・」
 自分も父親としてその衝動には共感するが果たしてあそこまでの行動がとれるか、自問してもスクリーンの外側にいる状況では簡単に答えは出せない。

 事件発生からずっとハラハラしっぱなしで目が離せない。捜査を担当するジェイク・ギレンホール演じるロキ刑事がいいバイプレーヤーとなっていて、ケラーの行動と事件に関する警察の捜査がクロス進行してゆく。
 テーマが重そうで、見ようと思ってから実際の鑑賞までにかなりのタイムラグがあったが、見ておいて良かったと思える作品だった。
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