きよみず

チョコレートドーナツのきよみずのレビュー・感想・評価

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)
2.9
#114-2014
ゲイで歌手になることを夢見ているルディ。ある日、彼のショーを見に来た弁護士のルディと恋に落ちる。それと同じくして、母親が逮捕され1人になっていたダウン症のマルコを引き取り3人で住み始める。幸せの日々は続くように思えたが、次第に世の中の差別、偏見の目が彼らに向き始める。。

この映画は人間の愛の尊さと同時に人間の愚かさを同時に映し出してる。その愛さえあれば壁がない。どんなものでも愛することができる。しかしその一方で人間は、マイノリティを認めることが出来ず社会から排除しようとする。自分も違うものを認めようとせず拒絶する。今なら世界のほとんどの人がわかる、愚かなことだと。だが当時を生きていたらどうだろう、偏見の目を向けない確信はあるだろうか。少なくともこの映画を見た人は、自分は偏見なく、他人を思い、接することが出来るか、優しい心で関わることが出来るか自分に問うことができただろう。だから余計、ただ当時普通ではないけど家族としてありたいと彼らは願っただけなのに、なんだか悔しくて、やつらが憎い。特に上司の検事が。

ルディのI shall be releasedが心に突き刺さってくる。ドーナツのように甘くはないこの映画だからこそその歌声に圧倒され、胸が締め付けられる。
王様のブランチで紹介されなければ、ここまでのヒットにはならなかったかもしれない。LiLiCoが思い出し泣きするのが見終わった今ならよくわかる。
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