HitoshiOono

チョコレートドーナツのHitoshiOonoのネタバレレビュー・内容・結末

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

【映画】チョコレートドーナツ
新宿シネマカリテにて。
いい映画でした。もっと感情移入バリバリして、もうボロボロに泣くと思ってたけど、そんなことなかったですね。いや、泣いたんだけどさ。。
一番の泣かせどころでスッと引いてくる。クライマックスにポールの手紙として語られる内容の衝撃と、ポール本人の温度感のギャップがあって。もう終わってしまったこととして描いてて。それまでポールとルディのカップルとマルコに感情移入して、彼らの事情をよく理解して、それこそ同情の涙を流しまくっている観客をスッと突き放すんですよね。

最初、なんやねん。って思うんですよ。泣かせろやと。でもよく考えるとそのバランスってすごい絶妙だなーと。要は、観客にわかった気になってんじゃねーぞ。と突きつけてくる手法だと思います。つまり「お前だって何もわかってないよ」と。


この映画観て、司法が諸悪の根源で、連中はクソの差別主義者!忌むべき存在!と彼らのせいにするのって超簡単ですが、そういうことじゃないんでしょうね。社会そのものがあの悲劇を止められなかったのだと。
ポールが書き、裁判関係者に送られたあの手紙。あの手紙が、この映画そのものなんだなーと。

すごくよかったです。
HitoshiOono

HitoshiOono