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ルパン三世 princess of the breeze 〜隠された空中都市〜のbackpackerのレビュー・感想・評価

2.0
ルパン三世TVSP第24作

ルパンのパパ化は過去数作のレビューでも述べておりますが、本作では遂に赤ちゃん連れに!
いよいよ子連れ狼ならぬ子守泥棒が板についてきましたが、赤ん坊のオシメを変えるルパンの姿には、「行くとこまで来ちまった」という成れの果ての悲哀を感じます……。


本作最大の特徴は、なんといっても赤ちゃん……ではなく、そのキャラデザではないでしょうか。
こんなにもキラキラと輝く瞳のルパン、過去のTVSPにはいません。本作までの全てを、順番に見ている者の断言です。
放送当時話題になり、賛否両論渦巻いていたような、朧げな記憶もありますが、改めて見ても、その異質性は際立ちます。

また、お馴染みのカーチェイスがフルCGで制作されたのも初めてのことです。CGが綺麗すぎて、こちらも強い違和感が……w


結局本作のルパンのポジションも、〈師匠として手助けしつつ露払いすることで、一人の少女の成長を促す〉という、パパルパン節全開の作品でした。
赤ちゃんは必要だったのかも、正直疑問です。

〈パパルパン〉路線を突き進むのは、この際良しとします。
しかし、余計な味付けをし過ぎるのはいかがなものかと思います。
特に、『カリオストロの城』のオマージュがまたも随所に使われていることには、率直なところ、非常にいただけない。
これは、『カリオストロの城』を神格化し過ぎていることと、ルパン三世ワールドが積み上げてきた遺産を食い潰すことに対する警鐘、という意味での指摘です。

このままだと、ルパン三世全体が、とんでもない駄作シリーズになっちまうのでは……と、心配でなりません。

【本作のゲストキャラ】
ユティカ……ゲストヒロイン。空賊団の少女。最初はお嬢ちゃん、最後は名前呼び。パパルパンに認められる完璧なパターン。

ラーム……亡き空賊団メンバーの遺児。その出自が余程高貴な家柄なのでは?と連想させる演出が続いたくせに、結局何も言及されなかった。
ルパンの激しいアクション中、背中におぶさったままだったが、乳幼児揺さぶられ症候群が心配。
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