TakayukiMonji

イーダのTakayukiMonjiのレビュー・感想・評価

イーダ(2013年製作の映画)
4.2
「COLD WAR」のパヴリコフスキ監督の13年作。アカデミー外国語映画賞も納得の傑作。とても好みの作品だった。

圧倒的なモノクロの映像美。ひとつひとつのシーンがとにかく美しくて引き込まれる。(人物の上に、すっぽりと空間を映したカットが印象的。)

60年代初頭のポーランド、終戦後の光と陰が見え隠れする。修道院で孤児として育てられた少女と、唯一の身寄りである叔母が会い、お互いの過去の出生の真実を探しに行く物語。ナチス時代の負の記憶と、モダンジャズが差し込まれる新しい時代の息吹が重なっていく当時の空気が淡々と描かれている。

対照的な2人だが、互いに通じ合っていく描き方が沁みる。
少女がひとりの意志を持った女性として変わっていく姿が台詞少なめの独特のタッチで描かれていき、ラストはなかなか極まっていた。
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