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オール・ユー・ニード・イズ・キルのbackpackerのレビュー・感想・評価

3.0
生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く、死に死に死に死んで死の終わりに冥し……。

原作小説は未読。小畑健によるコミカライズ版は連載中に読み、ハードな世界観に虜になった記憶があります。
トム・クルーズ(以下、トム)主演でハリウッド映画化と聞いた時はかなり楽しみにしていましたが、結局劇場に足を運ぶことはなく。レンタル落ちしてから大分たった頃、TUTAYAで借りて鑑賞しました。
先日『トップガン マーヴェリック』を見て、最後の映画スター・トムの底力をまじまじと見せつけられ、久しぶりに彼の作品をいくつか見たのですが、そのうちの一本が本作。レンタルで見て以来なので、6年ぶりくらいでしょうか。

監督は『ボーン・アイデンティティー』シリーズ等で知られるダグ・リーマン。彼とトムは『バリー・シール/アメリカをはめた男』でも仕事をしていますので、トム組のおひとりってことですね。

「死に戻り系ループ」の設定を用いた"らしい”SF戦争ものとして、ハリウッド式の進化を果たした本作には、時間のマジックを与えてくれる映画という芸術の在り方を、改めて意識させてくれるような気がします。
トム主演のSFでは『バニラ・スカイ』とか『マイノリティ・リポート』がありますが、そういえばどちらも時間を股にかけたような、現実と虚構の曖昧さを感じさせる物語でしたね。
ひとえに、トムというスターが"時間を操る"ことに対する説得力を持ち、彼の経歴がそれを裏付けているからなのかもしれません。
たしか『コングレス未来会議』の後半でも、俳優はトム一人で十分ってなってましたよね。うろ覚えだけど。
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