あいつ

5つ数えれば君の夢のあいつのネタバレレビュー・内容・結末

5つ数えれば君の夢(2014年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

※ごめんなさい、長くなってしまいました…。

はじめ、置いていかれました 汗。
女の子の心をそのままな詩的世界と現実世界がごちゃ混ぜにな世界観に戸惑いました…日常でこんな台詞を言わないだろうと本作と距離を置いてしまい(私は女子校出身だけどこんなじゃない、“男子校=トーマの心臓”と捉える程に間違った考えだよ!と感じました)、世の中?文学?の少女性って少女という生き物を美化しすぎやしなかろうか…こういった青春ものは今後の自分の人生に必要ない(新海誠や名作”耳を澄ませば”で恥ずかしくなってしまう悲しい人間です…涙)と思った次第です。

見始めは一気に冷めてしまったけど、これは演出で現実としてのリアルさを求める作品ではなく、あの掛け替えのない少女の時間を前面に表現したある種ファンタジー?映画と捉える事にしました。

そんな本作は好き嫌い別れそうな作品なのかなと思いました。


委員長の長回しも良いけれど、個人的にはプールのシーンがお気に入り。
画面の大部分は冬のプールが映され、そこには美少女が白いドレスを濡らしながらプールを歩く。
綺麗な光が波に反射している、歩くその度に波が立ち、プールにぶつかってはまた新しい波を作って複雑な水面になります。それが彼女たちの繊細な感情のひだを表している様だし、彼女達の関係の交わり・混乱を表してる様でした。
そして不思議ちゃん“リコ”が今までにない程感情を剥き出しにして心情を吐露するのでした。
とても綺麗でハッとさせられました。現実と幻想がいいバランスで夢心地に陥りキュン‼︎と心に訴えかけてきました。


最終的に彼女達の気持ち(愛)は失意に終わり、また平穏な日々に戻るものの、文化祭を経て前の自分とは少し違う自分達になっている…。


最後の台詞は“さようなら”で締められていて、サクからリコへの別れの言葉と同時に、少し成長した以前の自分へ向けられた彼女達5人の言葉だったり、私の気持ち(青春時代を過ぎてもぅ帰れないあの頃)の代弁でもありました。沢山の意味を含み郷愁を誘う余韻に浸るのでした…。


原作の今日マチ子さんはBlog出身の漫画家だったり、資金提供一部がクライドファンディングだったり、アイドルを使っていたりで若い人が選んだ・作り上げた作品(文化)で正に”今”っぽいなって思いました。



----ここからは体験を交えた本編感想とは別の話----

女子校はこんなものじゃないと言いながらもバイセクシャルの友達が2人いてパジャマパーティーした思い出があります、勿論何もなかったです 笑(みんなが携帯をもってる中で自分は所有していなくて閉鎖的な環境においても全くなかった…)。その2人に共通することは頭がよくって多感でした。

また原作者今日マチ子さんの出身校は偏差値が高い中高一貫の6年間女子校で、その高校出身の友達が数人いました。みんな自分を強くもつ個性豊かなメンツだった(それぞれがもっていたヒスっぽい所も思い出したりもした、絶対に負けたくないってプライドの高さと自信がすごい伝わってくる人達だった)。私の高校とは別な空間だったに違いない…。

彼女達はガサツな私とは別の生き物だったのだろうか…。
少女について思いを馳せました…、答えは出ません…。