クワハラリエコ

キングス・オブ・サマーのクワハラリエコのレビュー・感想・評価

キングス・オブ・サマー(2013年製作の映画)
4.2
「夏」と言って「王様」と来る作品が世界にどのくらいあるのか知らないけど(浮かぶのは康珍化大先生が書いたKinki Kidsの名曲くらい)、「王様」というくらいだから、やっぱり夏は「夏」っていう国というか、四角い箱のようなイメージだなあ、と個人的に思います

考えられる理由としては、7月8月のカレンダーとか、ラジオ体操の出席カードとか、プールとか、冷奴とか、なんかマス目で区切られているような四角いものを夏休みのうちによく目にしたから…なのかなぁ
「制限!!!!!!此処におさまるべし!!!!!!」というような圧力すら感じます

あとは逆に、「特別」と感じるものは閉ざされているものだ、と思う気持ちからくるのかもしれない、その空間を自分のものにして自分の手で守りたいと思う気持ち、等、だと思います

そのイメージのせいなのか、小さい頃は、ひたすらまっすぐに道を歩いていけば壁にぶつかるような気がしていました、夏の城壁というか、夏という容れ物の輪郭に

でも映画で描かれる「一夏の経験」みたいなものが(もっとロマンティックで夢のある表現のほうが良いけど)、少年少女に変化をもたらした時、いわゆる大人への階段というヤツを上るとき(こんな表現もどうかと思うけど)、世界はどこまでも広がりを持ち、「夏」という箱が壊れる、ような、それはバキバキ崩れるとかじゃなくていつの間にか無くなっているというイメージであって、この映画は、まさしくそういう感じがしました

(その夏の輪郭を消し去ることが良いことかというそういう話でもなく、私は個人的に閉鎖的で箱庭のような夏も好きだなあと思います、持て余すほどの夏を経験したことがないからだろうと思うけれど)

しかし「太陽の下で 夏をカジろう」という歌詞は、なんて素晴らしいんだろうなぁ、夏をカジってしまうんだからすごい、その人工的無敵感は、さすがアイドルって感じで目眩がします