【You keep us swimming.】
人って忘れる生き物です。
なぜ忘れるんでしょう?
一説では忘れないと思い出に潰されてしまうからと言われています。
例えばとても悲しい思い出がずっと蓄積されて鮮明に覚えている場合
人の精神はそれについていくことができません。
辛く苦しい思い出は日々を過ごすことによって薄れていくからこそ人は生きていける。
しかし今までのピクサーってどちらかというと心の成長がテーマに重要性を置いてきていたけど障害者の理念をテーマに持ってくることによってよりタブー的なことに挑戦しているように思えた。
片腕が使えないニモ。
目が悪いジンベイザメのデスティニー。
海に戻りたくない7本足のタコのハンク。
エコロケーションが使えないシロイルカのベイリー。
そして記憶障害のドリー。
障害を持って生まれてきた親ってどういった気持ちなんだろう。
もし自分に脳または身体に障害をもった子供が生まれてくるとわかっていてそれを喜んで
育てる強い意志を持つことができるだろうかとふと考えてしまう。
苦労するのは目に見えてる。
そしてもっとも考える事。
それはその障害を持った子供が自分たちが死んだ後も幸せに暮らせることができるのか?
子を持つ親の切なる願いがひしひしと伝わってくる。
健常者である子供であっても成績が悪いであったり好き嫌いが多いであったり感情の起伏が激しいってことでナーバスになる子育て。
そんな重いテーマを見事に子供にもわかるよう昇華している。
皮肉なのは今回の舞台が魚たちのトラウマおよび病気の原因が人間の環境破壊やいたずらに起因すること。
しかしそんな問題に悩んでるあったら即行動!ということがテーマとなっている。
そうなのだ。障害はすでに置きてしまったことなのだ。
それをどうこう悩んで否定した所で何かが起こるわけではない。
泳ぎ続けなければならないのだ。
それはそんな前向きなことを教えてくれる作品のように思える。
最後に八代亜紀。あれ原語ではシガニー・ウィーバーなのね。
インパクト強すぎたのか今も八代亜紀の声がリピートしまくってるんですけどそろそろ忘れてくれないかなぁ(笑)
530本目