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ローン・サバイバーのKBのレビュー・感想・評価

ローン・サバイバー(2013年製作の映画)
4.0
事実とは思えないほど壮絶すぎる話。戦闘シーンは迫力があり、リアルに痛々しい。経験談が緻密に映像化されているんじゃないかと思う。
アクション、スリリングの要素がいいタイミングで詰め込まれてる。2回観たけど全然飽きない。

☆2005年6月に行われ、アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズ史上最悪の大惨事となったレッドウィング作戦を映画化。戦いを生き延びた兵士、マーカス・ラトレルの実話を基にした作品です。

アフガン、イラクでの戦争ではこういう軍事作戦失敗によって犠牲が出たケースは多くあったと思うので、事実を映画化することは意義があるはず。

「戦うことから逃げるな」というネイビーシールズの合言葉に忠実に従った兵士たち。だが、米軍とは思えないほど、作戦として無理があったんじゃないかと思ってしまう。
最後の救出シーンだけなんかカッコよく見えちゃうけど、お前らもっと早く動けよ〜ってツッコミたくなっちゃうかな。

映画の中でも何発も銃弾を浴びたり、崖から転落したりするけど、あれでも死なないって凄すぎないか?って感じました。筋肉ムキムキの米軍の精鋭部隊とはいえ、ボロボロになるまで救助できなかったのは軍事作戦として最悪の失敗だと思う。

そして、この映画でもう一つ驚いたのは、タリバンの攻撃から生き延びたラトレルを、現地人のムハンマド・グーラーブが体を張って救ったことですね。

どうやら2000年以上アフガンに伝わる「パシュトゥーンの掟(ワーリー)」の中の「敵から追われているものは、自らの命をかけて助ける」をちゃんと実行したとか。この掟ですが、調べてみたら「女性はブルカを着用する」とか「成人男性はあごひげを生やす」みたいな現代にも残っている内容が多いみたい。

ネイビーシールズの掟と、アフガンの掟。それぞれの掟を貫いたもの同士が出会い、奇跡ともいえる生還が生まれていると読むこともできます。グーラーブとラトレルの交流は今でも続いているというのは素晴らしい。

最後に兵士たちの写真が流れてくることで、この物語が実話だったんだと思わされる。
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