もこもも

ダラス・バイヤーズクラブのもこもものレビュー・感想・評価

ダラス・バイヤーズクラブ(2013年製作の映画)
4.2
エイズで余命30日を告げられたロン・ウッドルーフが未承認でも有効な治療薬の販売ルートを確立する為に尽力した実話を描いた作品

めっちゃ心に残るし
めっちゃ考えさせられる
ロンの生き様に終始魅了された

製薬会社や法律、世の中に対する不合理さは
考えさせられるものがあったし、
ロンの生き様には勇気と感動を貰えた
エイズはゲイがなるものと馬鹿にしていた
ロンがエイズになり、ゲイを受け入れて、
生ける努力をして、自分の為だけでなく
他のエイズ患者の為に戦って、
みんなから感謝され慕われるように
なっていく彼の変化に胸が熱くなる
慈善活動じゃないって言っていたけど、
レイヨンの死を経験したこともあって、
最終的にはお金ではなく自分と人の為に
命を懸けて戦うその姿に感動した

酒、薬、女、賭けに明け暮れる生粋のカウボーイ・ロン・ウッドルーフはエイズを患ったことと余命30日であることを告げられる...

違法行為を沢山してこれが正しい生き方とは言えないけど、物語の最初から最後まで一貫して男らしかったし、かっこよかったし、なにより美しかった
ロン役のマシュー・マコノヒーの演技力なのか、本物のロンの人間性なのか、はたまたその2つともなのか、この作品を通して沢山の勇気をくれたロン・ウッドルーフという人間を大好きになっていた
なんていうかロンの生き方は自分には到底できないもので、だからこそこんなにもかっこよく、尊かったんだなと

エイズはゲイだけが罹るものだと思っていたロンは医者の言うことを信頼していなかったが、調べてみるとゲイ以外も患う可能性があることを知り、エイズに効くと言われるAZTを入手しようとする...

違法であることは分かっているが、死を前にして許可とか申請とか実験とかそんな馬鹿みたいなことを言われる絶望感とやるせ無さを観たらなにも言うことはできない
綺麗でなくとも死を前に懸命にもがいて、叫んで、涙を流す、その姿は胸を熱くさせられた

AZTの服用を続けるが症状は悪化の一途を辿り、死にかけたロンはメキシコのある医者の元を訪れて本当に効く薬、正しい治療法やエイズとの向き合い方を知っていく...

毒性がなくてエイズに効く薬が未承認で、製薬会社の金儲けのために毒性が強く永続的な効果がない薬が承認されている現実
エイズに苦しんでいる人が沢山いる一方で、助けたい気持ちはなくビジネスとしか考えていない人もいるわけで、そのやるせ無さが凄かった

「人生は一度きりだけど 他人のも生きてみたい」

エイズに効く薬を入手してレイヨンと共に"ダラスバイヤーズクラブ"を創設する...

レイヨンの存在が本当に大きかったんだろうな
不器用やけどずっとロンがレイヨンのことを心配して、大切にしていることは伝わっていたし、レイヨンの死とその死に苦しむロンに胸が締め付けられた
概念や法律に囚われず、人の為になっているロンの行動に協力するイブも素敵な人

その後も周りに支えられながらもエイズ患者の為に戦い続けた男の姿が描かれていた

エンドロールで流れてた曲がすごく胸に沁みる
この映画を見終わった後もずっと胸の底に熱いものが残っている
ロンが言うからこそ「人生を楽しめよ 一度きりだ」のこの言葉が深く胸に刺さるんやね
もこもも

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