まぴお

スター・ウォーズ/フォースの覚醒のまぴおのレビュー・感想・評価

4.0
【ルーカスが去った後に残っていたもの】

2012年10月ジョージ・ルーカスは悶々としていた。
絶賛されたルーク三部作からあれだけ期待されていたアナキン三部作が全てゴールデンラズベリー賞を受賞しダークサイドに落ち絶望のどん底をさまよっていた彼はこの日、自ら設立した「ルーカスフィルム」を手放したのだ。

思い起こせば1977年当時の彼はSWシリーズとしての構想はあったがまさかここまでヒットするとは考えておらず試写の公開時でも監督や評論家から「宇宙でチャンバラとかアホすぎるだろ!死ねよ厨二病患者!これだからギークはキモいって言われるんだよ」と散々な評価だった。

しかしそんな中ただ一人最高の賞賛を送ってくれるファンがいた。

そのファン第一号の男の名前こそ当時「ジョーズ」で一躍有名になったスティーブン・スピルバーグその人であった。

スピルバーグの予想通りスターウォーズは空前の大ヒットとなり
当時の評論家は「やっぱりね。奥が深い世界観だと俺は思ってたんだよね」と
もてはやした。続編が決定となりルーカスのテンションは最高潮に達した。

実はこれ全部で9つの物語の構想があるんだよね(もしかしたらもっとあるかもよプププ)それを聞いたファンのテンションも最高潮まで達した。
そう...それはルーカスにとって最高の瞬間であった。
1999年アナキン三部作が公開されるまでは...

どこで間違っただんだろう?仕事に没頭するあまり
奥さんに逃げられ要のアナキン三部作も総スカン。
もう何も創る気力がない。ファンの名声も愛しのアミダラ(妻)
も全て失ったルーカス(アナキン)はただ絶望するしかなかった。

あれから10年...

物語が新たな世代に受け継がれるのと同様にルーカスもまた
マーケティングに掛けてはバケモノといっていいディズニーとかつてのSWの大ファンであったJ・J・エイブラムスにバトンを託した。

それが今作から始まるレイ三部作!

な、懐かしい!
何なんだこの懐かしさは!!!

紛れも無く新しく生まれ変わったスターウォーズなのにものすごく懐かしい!

EP4を観た時に感じた空気感はどこも失われてない...

LUKAS FILM LTDのロゴ。思わず鳥肌のたつオープニングロール。砂漠、森、雪原、酒場、乗り物。そして過去の英雄たちと新しい英雄たちの融合!全てがそこに残ってた。

ルーカスは語る
「ただ映画が好きだった。将来どうなるかなんて気にしなかった!」

思えば彼も昔は映画のストーリーにワクワクする少年だった。

何も変わってなんかないんだ。
ただ世代から世代へ受け継がれていくだけ。
ここから先はルーカス本人も予想のつかないワクワクするような冒険譚が待ち構えているのだろう。

さぁ語り明かそうじゃないか。僕たちの心躍るあの冒険譚を!!!!

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