MasaichiYaguchi

ソウルガールズのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

ソウルガールズ(2012年製作の映画)
3.6
ソウル・ミュージックは言葉が表すように「魂の音楽」。
元々ミュージカルだったのを映画化した本作は、様々な思いが込められたソウル・ミュージックに溢れている。
この作品の舞台である1960年代はアフリカ系アメリカ人の公民権運動が盛んだった頃で、後に「サファイアズ」となるオーストラリアの先住民アボリジニの三姉妹、ゲイル、シンシア、ジュリーも「黒人」として露骨に差別されている。
そんな三姉妹を鼓舞するのは「歌」。
幼い頃から家族や友人たちを楽しませる為に歌ってきた彼女らは歌手になることを夢見ている。
そんな彼女らに人種差別の壁は厚く、なかなか夢への扉は開かれない。
そんな時に出会ったのが酔いどれ「ダメンズ」のデイヴ。
当初、三姉妹だけだったグループに、「白人」として生きてきた従姉妹のケイも加わり、ここに「サファイアズ」が誕生する。
彼女らの歌声は正に「魂の音楽」そのもので、更に「サファイアズ」以外のキャストたち、「ダメンズ」のデイヴを始めとして歌の上手い人ばかりで聞き惚れてしまう。
人種差別も、思うようにいかない恋も、戦争で傷付いた心身も、「サファイアズのソウル」が癒していく。
ソウル・ミュージックに込められた思いや愛、そして歌の持つ力を感じさせてくれた本作品、改めて映画に登場した数々の曲を聴き直してみたくなりました。