歯医者のお姉さん

アクト・オブ・キリングの歯医者のお姉さんのレビュー・感想・評価

アクト・オブ・キリング(2012年製作の映画)
3.7
バグってる、何もかも!どうやって殺したのかを笑いながら説明するかつての虐殺者たちは、罪に問われないどころかヒーロー気取りで、仲間や家族と日々贅沢な暮らしを送っている。流れでご本人が虐殺のワンシーンを演じることになるが、なんだか気に食わないようで、何かが引っかかるようで、何度も取り直し、取り直し、…。最後のテイクに身震いした。




(あらすじメモ)

「あなたの行なった虐殺を、もう一度演じてみませんか?」
男は粋なスーツに身を包み陽気に微笑んでいる。残虐なシーンのないこの映画が、しかし、私たちを最も慄然とさせる映画になったーーー
これが"悪の正体"なのかーーー。60年台のインドネシアで密かに行われた100万人規模の大虐殺。その実行者たちは、驚くべきことに、いまも"国民的英雄"として楽しげに暮らしている。映画作家ジョシュア・オッペンハイマーは人権団体の依頼で虐殺の被害者を取材していたが、当局から被害者への接触を禁止され、対象を加害者に変更。彼らが嬉々として過去の行為を再現して見せたのをきっかけに、「では、あなたたち自身で、カメラの前で演じてみませんか」と持ちかけてみた。まるで映画スター気取りで、身振り手振りで殺人の様子を詳細に演じてみせる男たち。しかし、その再演は、彼らにある変化をもたらしていく…。