夢か現実か。もはやそれは関係ない。
いやぁ〜、まさかここまでインセプションにハマるとは思ってもいませんでしたよ。
何回鑑賞してきたことか...
ハンス・ジマー様の音楽の巧妙さ!ノーラン監督の独特な演出!役者さんたちの絶妙な演技!
ほぼすべての要素がエンターテイメントとして完成されている。(と私は勝手に思ってる)
これほど、興奮や感動に満ちた作品だったとはねぇ。
私、終盤では号泣しまくってましたよ。 自分でも信じられないくらい。
一度夢の構造、インセプションの構造を理解してしまえば 本テーマについて考えることができる と。
レビューポイントの まず興奮について。
夢の中でのアクションシーンが素晴らしいほどに壮大かつサスペンスフルなんですよ!
まさに
「夢なんだから、でかく行こうぜ」
が施行されているとでもいうのか。
これに関してはとにかくご自分の目で確かめてほしい。
そして次は、 感動について。
これが本題ですね。
インセプション。罪。後悔。和解。
精算。
これらが大事なキーワード。
インセプションをしたことによる罪悪感とその過去の精算。
この物語をみる上で重要な視点がコブとロバートで、それぞれが映画の終盤で自身の問題を解決します。
モルの視点も重要なのでは と思うかもしれませんが、この作品内ではモルの心の内がさほど出てきません。出てくるのは コブ自身がつくりだした影 か コブの記憶の中のモルのみ。
コブは過去にインセプションで人に悪い影響を与えてしまっています。コブは罪悪感を抱えていて、今回の任務にあたり インセプションで“可能な限り”良い影響を与えて任務を遂行させ 家へ帰ろうとします。(任務の遂行を邪魔しない程度に)
「信じて飛び込しかない。それとも後悔したまま老いぼれて孤独に死を待つか。」(めっちゃ響く)
これで、インセプションされる側のロバートは夢の中でどう感じていたか。
「お前には失望した。...」
ここがファースト泣きポイントなんですよぉ〜!
これがなかなかグッとくる。
そして、コブはさらに“自身の心の内”と向き合う。これも重要。
そこからがセカンド泣きポイント!
さらにさらにその後にやってくるラストシーンでありったけの涙を奪われてしまうんですよっ!!
この映画製作の裏側をみているようなインセプションという作品は、もしかしたら映画が観客に与える影響についても語っているじゃないかと思うんです。
ノーラン監督が“映画”というフィクションに込めた願いというのか。
必ずしもとは言えませんが、ロバートのようにポジティブな良い影響をもらえるように。夢か現実か、フィクションであるかそうでないか 関係無し に 良い影響をもらえて感動できたらそれでいいじゃない。そのことで自身の現実と向き合って生きていけたら そんでいいじゃん。みたいな。
そしてその逆、モルに関しては 映画を作る側としての責任感などが込められているのではないかと。
一見すると、複雑な構造で薄い話をごまかした大衆映画 みたいに感じられてしまいますが、意外と深いテーマを扱っておりなかなか得ることがあるんですよ。
これらを踏まえて改めて観ると、また違う見方もできたりして。
いや、この終わり方って もしや 円環地獄の暗示なんじゃ?! とか。
でも、とにかく“インセプション”は私にとって大切な作品であり、非常にエンターテイメントとして優れている作品だといえます。 これは安心して人にオススメできるわ。