ねこまるキャット

少女は自転車にのってのねこまるキャットのレビュー・感想・評価

少女は自転車にのって(2012年製作の映画)
3.5
『異文化』×『勉強』
"サウジアラビア初の映画"との事で鑑賞。
サウジアラビアでは異端とされる、女の子が自転車に乗りたいという思いを軸に、日常を描くお話。

女性はこうであるべきという、サウジアラビアの固定概念、戒律への疑問を訴えかける作品。

男性の性欲を刺激しないよう、全身を布で覆う"ニカブ"などの存在は知っていますが、その女性達のショッピング、ドレスの試着などの描写は初めて見たので、新鮮でした。

一夫多妻、第二の妻の結婚式を見守る、第一の妻の"心理描写"もありそうでなかったような印象。

サウジアラビアの"女性の地位の低さ"がとてもリアルに描かれています。

異文化を勉強する事は出来ますが、正直映画としての"パンチは弱いです"。
黒人の人種差別を描く映画のような、強烈な作品ではありません。
見ていて、どこに向かってるんだろう、盛り上がり所はここなのかな、と感じたり。

「女性はもっとこうであるべきだ!」と強く問題提起したり、エンタメ感を出してる訳でもなく、ありのままを映すような作風。

そのような"映画の特色"こそが、サウジアラビアの"女性監督"が作った作品という、一番リアルな現実なのではないかと思いました。

映画というよりは、異文化を知るための勉強の類なので、スコアは3.5にしましたが、鑑賞して良かったかと思います。


補足として、今現在サウジアラビアでは映画館は解禁しているようですが、数年前までは、35年間禁止されていたようです。

嘘だろ…。

解禁一発目の公開作品は「ブラックパンサー」だそうです。

いきなり刺激つよっ。

宗教的な洗脳で、日常に窮屈さを感じてる女性達が、映画鑑賞で人生を満喫出来るようになったら素敵ですね。

興味があったら是非🐈