このレビューはネタバレを含みます
長崎五島市。生きるのに飽きた男が、顔にあざのある小綺麗な女を犯す。その男は臭い飯を食ったことのある男。
小料理屋のママは客商売して人の顔を見ているが、あの男の顔は腐ったトマトだと。そのトマト男は小料理屋に出向き、ママを犯す。
女(京子)は、無理やりだと嫌だったのが自分からその男のところへ行き求めたりもした。そして子供ができる。だが、男は生まれてこない方がいい人間もいると、産むことに反対するが、それでも生まれてくる。男も女も、自分を出来損ないと思っているが、子供は優秀だった。でも父親になつかなかった。そして彼女は「幸福」を求めて宗教に走るがそこで不倫。
なぜ私は生まれ、そして私は死ぬのか? 男は問う。
同じ街の魚介工場のチーフは新婚。しかし妻は、社長と不倫し夫に抱かれない。そして夫は自殺。
さらに、其の後、その社長も海で溺死。死体の口から黒い小カニが横歩きで這い出してきた。妻は身重だった。
不倫の連鎖、人間の業か?
料理屋のママは言う。人は人のためだとか言うけど、セックスする、金は欲しい、と言うことから逃げられない。そう考えると(腐ったトマトと呼んだ)あなたは。意外と人間らしいかもね、と。
人間らしさとは、欲望丸出しのことか?
人間らしさが、性欲と金銭欲か?
人はなぜ生まれ、なぜ生き、なぜ死ぬ?
なぜ不倫をする? 金が欲しい?
単に満たされれば良いのだろうか?
では、モラルとはなんだろうか?
業とは? わかってながら抗えない弱さ。
見つからなければよいのか?