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インターステラーのtthkのレビュー・感想・評価

インターステラー(2014年製作の映画)
5.0
最近、エルンスト・マッハや「空間と時間」、「次元」に関心を持っていたので、とても面白く見れました。また、ノーラン作品は『メメント』、ダークナイトシリーズしか見れていないのですが、それも面白く見れたので、とても面白く見ることができました。
本作のおもしろポイントはやはり「時間」にあるのだと私は思います。そのピークポイントが、パイロットであるクーパーがマーフィーへとメッセージを送るシーンだと思いました。というのも、三次元世界に時間という四次元要素を加え、さらにはそれを二次元世界へと置き換え可能な「映画(映像)」で、五次元世界を表象しようと試みているからです。
『メメント』の最大の魅力は「時間」の操作にありました。文章で説明することがとてもややこしいのですが、鑑賞する際の時系列と、映画の中での時系列、そのストーリーの時系列とが複雑に入り交じっているのが『メメント』でした。この複数の時系列を自由自在にいじくることができることが映画の特徴だと思います。
そう考えると本作では、「宇宙」という未開の実験場を舞台にして、より壮大なことが行われています。そのハイライトが上述の五次元世界の表象(re-presentation)です。映画それ自体はスクリーンに投影される平面(二次元世界)であるにもかかわらず、三次元世界を表象することができ、さらに上の視点に立ち、四次元的な操作をすることができます。そして、本作ではさらにそれを超越し、五次元世界を何とかして二次元世界で描写することを試みています。ここがすごいと思いました。
視覚に頼っているわれわれは日々、三次元的に世界を把握しているのですが、映画を鑑賞する際には四次元的な見方ができます。が、五次元世界について、私は考えたこともありませんでした。この映画では五次元的な見方をすれば可能的世界も視野に入れられる、ということなのでしょうか。
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