ヒーロー

イカボード先生のこわい森の夜/イカボードとトード氏のヒーローのレビュー・感想・評価

4.5
ディズニーアニメーションでマイナーどころか全く日の目を見ない作品だが、個人的にはかなり名作。

自分の中での「ディズニーアニメーション」と思い浮かべるのがまさにこのような作品。

JAZZの音楽と共に繊細で機敏なキャラの動き、ギャグ要素ありシリアスありドタバタコメディ感強めでディズニー作品で求めていたのはコレだと思った。

今作は短編アニメの「トード氏」と「イカボード先生と首なし騎士」の2作品のオムニバス構成です。どちらも30分程度です。
トード氏の方が私は好きで一定して面白く飽きずにオチもいいです。トード氏は可愛いしトード氏のせいで友達が振り回されてまくってる図も面白い。目新しいものを見た時のトードの目の映像がすごくディズニーっぽいし可愛いんです。アメリカディズニーに行ったら絶対トード氏のアトラクションに乗ると心に誓いました。
イカボード先生の方に関しては序盤のツカミはあまり良くなく、中盤の美女カトリーナの取り合いシーンから面白くなっていき、ラストはディズニーらしからぬ怖さと衝撃的な終わり方のため驚いたのもあり、そこを評価したらこちらも面白いです。暴力的なシーンも数多くあり、女性への酷い扱いも凄く目立つので今では問題視されそうな映像なので逆を言えばそういった意味ではかなり貴重な作品にもなっている。ほとんど台詞がなく、語り手がずっと喋ってるだけなのも今じゃほとんどないですよね。「くまのプーさん」も語り手が結構喋ってる作品ですが登場キャラクターも結構喋ってますし、この作品はキャラクターの声より多彩な効果音を重きに置いてる気がしました。

[起承転結]
・トード氏
豪邸に暮らす資産家でヒキガエルのトード氏は新しいもの好きで買いまくり散財し借金だらけ、アナグマのマクバジャーに会計担当をさせている。他に真面目で優しいミネズミのラット、親切なモグラのモールという友達がいる。トード氏は友達に本当に恵まれている。マクバジャーの忠告も聞かずに初めて「車」を目にしたトードはすぐ飛びつきイタチ達と契約を交わし豪邸と車を物々交換する事に。だがイタチと契約書にサインしたバーテンダーはグルでトード氏は騙され窃盗の容疑で逮捕。裁判が行われるが有罪判決。ドタバタ劇がありながら見事に契約書を奪いトードは無実釈放となる。痛い目を見たトード氏は心を入れ替えると思いきやまた初めて見た「飛行機」に心を奪われ夢中になってしまうのでした。

・イカボード先生と首なし騎士
見た目が風変わりな教師イカボード先生。だがなんでも出来てすごくモテる。資産家娘の美女カトリーナに一目惚れするが、町のリーダーブロムも狙っていて、2人は争いまくる。イカボードは絶対有利な状況になり、なんとかだし抜けないかとブロムは考え、イカボードの唯一の迷信や怪談に弱い事に気づき首なし騎士の伝説について話し始める。酷く怯えたまま真夜中に帰るイカボードはかすかな音にさえ怖がるほど彼には効いてしまったみたい。怯えながら帰ってやっと谷の出口に差し掛かった時に本当に首なし騎士に出会ってしまいます。どれだけ逃げても追いかけてきて…朝になり…それからイカボードは田舎で裕福に暮らしてる…という噂が流れてるがそれは嘘。あの日以来イカボードを見た人は誰もいなく消えてしまったのでした。
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