5loth

楽隊のうさぎの5lothのレビュー・感想・評価

楽隊のうさぎ(2013年製作の映画)
3.0
ブラバン(オーケストラ)映画にこんなアプローチの仕方があったなんて驚いた。そしてとてもよかった。思うにそれは視線とノイズと境界ではないか。リアル中学生の姿勢の悪さとか、定まらない視線が何よりも心の揺らぎを表していた。教室や音楽室や通学路のざわめきが楽器の音とほぼ同列に録音されていて、登場人物も観客もその中から音を聞き分けるような過程が用意されている。選び取られた音が揃う演奏会が素晴らしい。それとうさぎに象徴されるように、色んな境界がすごく曖昧で。部を卒業する者、辞める者、学校で上手くいかなくなってしまう者、その全てが同じはこの中にあって優劣はない。スウィングガールズが凡作に見える。
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