JIZE

LIFE!のJIZEのレビュー・感想・評価

LIFE!(2013年製作の映画)
3.0
人生の真髄を探し出す広大な旅路を通じた旅情感を鑑賞者は共体験し自身をその場に落とし込む映画的充実さやヘリやボート,ロードバイク,スケボー等ライド感満載なカタルシスを全開で感じ爽快感に浸かるメタ的投影の軽快さは勿論の事,主人公ウォルターが既存的にも悩み抱える空想癖で閉鎖症気味な資質(気質)を開示的に映し出す"主導的な選択の的確さ"が威風堂々と突き進み当然にも行くべき道を切り開く為,心情動向や控え気味な性格が野心化し実行的にも責任を自ら負い行動する巧みさは今作を鑑賞する上で胸に突き刺さった。完璧主義者と思う半面も持ち合わせ鑑賞後振り返っても彼の気質自体は決して閉鎖的ではなく何かのきっかけ(他者との相容れる出会い)を待ち望んでたのでは?と感じ取れました。

ただ,設定的にもウォルター自身の閉鎖気味で自己開示を成し得れないダメ男感が抑揚を上手く効かせる上で弱過ぎたのは今作で1番否めなかった。言わば,妄想でしか自分を表現出来ず苦悩感に満ち足りる臆病男が都会の喧噪を飛び出し雄大な自然に身を委ね自分を変える事を決心..とここまでの入口過程は優秀だっただけに決心後からの動向を追尾する彼の内情体現が淡白に会話上や説明過多で処理され理に落とされるという映画的納得度の尺度としては駄目でした。。もっと言えば,痛々しい程冴え渡らず救い用のないダメダメ人間をウォルターには演じて頂きたかった。泥臭く猪突猛進にもがむしゃらに突っ走る超YESマンと言うべきか..安易的にもストレートに仕事を達成しては展開が直様処理され次の目的地に到着し難なく成果を上げ素直に喜ぶ...この普通染みた誠実展開が人生の荒波(壮絶さ)を体現する意味で極めてハードル的にも低過ぎだろ!!と残念の意を込め感じた次第です。。劇的なカタルシスもウォルターの言動ではなく世界中の歴史的背景に見惚れ文化交流の素晴らしさや人間同士のコミュニケーション社会について改めて考えさせられました。

従い,吹替版はタレント起用(ナイナイ岡村)による杜撰さが浮上する為,字幕鑑賞は勿論不可避です。関西弁の起用は制作側に対し本気か?と作り手側の精神を疑いました。世界各地を巡るロードムービーを題材としたロマンス映画or閉鎖気味な主人公の成長譚を描く人生採掘映画としては世界観の色濃き充実さや登場人物達の個性的な面々が織り成す珍騒動,空想癖を具現化し理想像を創り出してしまう脳内妄想のすば抜けた飛躍を吟味しエンタメ作品として純粋に楽しみ他者と共有する観点では平均値は全然クリアし万人受けも至極当然な印象を受けました。大スペクタクル感ある爽快さ(カタルシス)を感じ明日への糧として刻み噛み締める人間讃美を促す作品としては是非,オススメです。
JIZE

JIZE