メイマーツインズ

青天の霹靂のメイマーツインズのレビュー・感想・評価

青天の霹靂(2013年製作の映画)
4.5
《人生は奇劇…》

劇団ひとりが原作・監督で描く、ハートフル・ファンタジー。
前回レビュー作”浅草キッド〟に感銘をうけ、フォロワーさんのオススメもあり、Amazonプライムにて初鑑賞。


うだつの上がらないマジシャン、晴夫。人生に絶望していたその時、雷に打たれ…昭和48年の浅草にタイムスリップ。
そこで出会ったのは、自分が生まれる前の父と母だった。


ビートたけしも認めた、劇団ひとりの映像作家としての才能に感嘆してしまう…
古き良き昭和へのノスタルジーに満たされる、”浅草キッド〟にも通じる世界観。
音楽の使い方も秀逸。エンドロールで流れるMr.Childrenの”放たれる〟は、今作のための書き下ろし曲らしく。原作がMr.Childrenの心を動かしたのだ。

マジックシーンを自ら演じる大泉洋を中心に、気の強い妻を演じる柴崎コウ、”蒲田行進曲〟の銀ちゃんを彷彿させる風間杜夫、そして強烈なビンタを受ける劇団ひとり(笑)
まさに適材適所で、この世界観を彩っている。

タイムスリップして、親に会うという設定はありがちかもしれない。
だが、劇団ひとりの笑いのセンスと繊細な感性が随所に生かされていて、日本人の心に響く素敵な作品になっている。
クライマックスからラストまでの流れは見事で、日本人らしい奥ゆかしさもあって素晴らしい‼︎

生まれたルーツは、人それぞれで…
今の自分が存在しているのは、親があってこそ。
親に「ありがとう」と伝えたくなる…、そんな作品。

青天から放たれた雷が晴夫にもたらしたもの。
これは、たしかに”笑いと、一粒の涙の物語〟。
”浅草キッド〟で期待値を上げたけど、それを上回る傑作です‼︎