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ハーフのsnowwhiteのレビュー・感想・評価

ハーフ(2013年製作の映画)
3.6
日本人と外国人との間に生まれたハーフのドキュメンタリー。5人のハーフそれぞれの状況や悩みから彼らの生活を知ることができて面白かった。

・海外で生まれ育って自分のもう一つのルーツを知りたいと来日した女性。当初は日本語を学ぼうとしたし日本人の友達を作ろうとしたけど、結局話せるようにはならず日本に住んではいるが友達は全て白人である。

・逆に日本で生まれ育って自分は日本人だと思っているが誰も彼を日本人とは思わずいつも説明が必要だ。説明するのに嫌にならないかと問われても別に気にならないよとニコニコ笑うデイビッドが素敵だ。
ヴェネズエラのこと教えてと聞かれて自分が何も知らないことに気付き、自分のもう一つのルーツであるヴェネズエラに行ってみる。ノートとボールペンを一杯持っていって学校で配ったら子供達が本当に喜んでくれてGod bless you!と言ってくれた。ただのノートなのにこんなに喜んでくれるんだと感激した彼のその後の行動が凄い。日本でイベントを行い寄付を募り、ヴェネズエラに幼稚園や学校を建てている。変わらぬくったくのない爽やかな笑顔が素晴らしい。

・自分がハーフと知らずに育った韓国人とのハーフ。高校入学の際に父が韓国人から帰化した人であると知る。日本人は韓国人を嫌い、韓国人は日本人が嫌いである。
もしも自分が日本人ではないと知ったら今いる友達や恋人は去ってしまうのかと葛藤しトラウマになったという彼女。聞いているだけで胸が痛んだ。今まで自分は日本人と思ってきた彼女が声を震わせながら喋る様子に彼女の葛藤が伝わってきた。一時は日本も韓国も嫌いになったと言う。結局日本人でも韓国人でもない人と結婚して、今はありのままの自分を受け入れ愛してくれた人が側にいて幸せだと言う。彼女が幸せそうであるのが何よりであった。子供が生まれたら幾つものルーツがあって良かったねと言って育てたいと言っていたのが印象的だった。

日本人の49人に1人はハーフだそうだ。10年前の映画だったがこの頃より今の日本は成長したのであろうか?何も変わっていない様な気がする。

少子化が叫ばれ人口減少が深刻な日本。人口を増やす為に移民を受け入れ無ければ成り立たなくなる日がきっと来ると思う。イギリスやフランスがそうであったように。アメリカがそうであるように。ハーフの割合はもっと増えて行くだろう。日本人は単一民族で来たけれどいづれそうではなくなる日が来ると思う。誰でもが生きやすい国でありたいものだ。
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