歩葉戸路素

スティーブン・キング/ランゴリアーズの歩葉戸路素のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

なんてことだ!もう助からないゾ♡

異次元世界に迷い込んだ旅客機が謎の口だけの怪物に襲撃される傑作SFホラー映画

原作はスティーヴン・キングの中篇小説
個人的にキング作品の最高傑作
クセのある登場人物に謎だらけの世界観、後半モンスターパニックに変貌する展開など…
キングワールド全開!
かなり原作を忠実に再現した映画なのでキング氏もご満悦なデキ
原作ではランゴリアーズの捕食シーンや人体破壊描写など生々しいグロがあるのだが、映画版では全てカットされている
個人的にはストーリーに要らない気がしたので良改変
隠れた名優デビッド・モース主演

このランゴリアーズではキング作品のSFホラー(ドリームキャッチャー、トミーノッカーズなど)でよくある脱線事故が無く終始世界観が一貫しており、そのおかげで緊張感やテーマ性にブレが無くハイクオリティな物語である

現代の観点だとランゴリアーズのCGがかなりチープに感じるのは否めない
正直プレステ1のムービーシーンレベル並み…
しかしこのチープなCG、製作陣は意図してないと思うのだが
〝異次元に生息する生物〟という設定的に、このリアリティゼロなCGの方が非現実性が高まり異次元生物さが出ている
実際に異次元に生物が存在したら、こういう表情が欠落した意思疎通の余地が無い素でポカンとしてる外見のはず
(原作では明確に表情を持ち悪意を持って襲って来たけど…笑)
最近話題のAIが描いた精巧なのに絶妙に情緒の欠けたギョッとする絵とか…そういう不気味さがランゴリアーズにはあると思った!

中盤の異次元の設定が明らかになる謎解き展開や衝撃のラストからの人間讃歌に繋がる感動の結末など、無駄なく奇跡的なレベルで物語が上手くまとまっていて本当に素晴らしい…!
原作の最後のページは感涙モノなのだが、映画も頑張っていて「なんとか小説の感動を映画で伝えるゾ♡」という意思を感じる
そのせいで多少説明セリフ多めになってしまったのは否めないが…
最後のストップモーションが名場面だったので…ヨシ!
歩葉戸路素

歩葉戸路素