まぐ

LOVEHOTELS ラヴホテルズのまぐのネタバレレビュー・内容・結末

LOVEHOTELS ラヴホテルズ(2006年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

観客に不親切な映画だった。
監督なりにテーマである恋愛やセックスについての考えが確立しているのかもしれない。しかし、それを観客の立場に立って面白いものに加工して作り上げられてないと感じる。


一作目は独り身の寂しさをテーマにした作品だった。
2つの部屋を行き来するという設定を、なぜそれだけで終わらせてしまったのか。もっと面白くなりそうなだけに、物足りない。
また、全体を通して言えることだが、なぜわざわざ時系列を分かりづらくしているのだろう。メリットがないし、見る気が削がれる。妙なフランス語?のカットインも存在意義がわからない。

二作目は女の強かさをテーマにした作品だった。
冷凍さくらんぼの例えがこれ見よがしでくどい。一作目同様、女性が入浴している中途半端にセクシーなカットインが無意味に入り、もどかしい。
ただ、車の中でフェラチオされている時に奥さんが歩いてくるカットは強烈に残る。ミラー越しにそれを見せるのも良いし、奥さんの顔を映さないのも良い。

三作目はセックスと恋愛をテーマにした作品だった。言い換えれば、本気の恋愛に踏み込めない男女の話。
ラブシーンがしっかり描写されているぶん前の二作よりは見応えがある。

四作目はライトな作風で他の作品よりは見ていられたが、やはりずっと集中出来るほど面白いわけではなかった。恋愛に発展したきっかけが一度記念日を祝ったから??なぜ??だし、全体を通して感情が動かない。あいちゃんは可愛い。


全作通して、テーマ自体はとても共感できるものだった。にも関わらず前のめりに見たい、とならないのは、やはり観客が飽きない工夫がされていないからだと思う。映画とは伝えたいテーマと、それを娯楽に昇華する工夫が合わさって初めて面白いものになると再認識できた。
また、肝心のテーマも掘り下げが甘く、監督の「恋愛ってのはこうなんだよ」という話を長々と聞かされている気持ちになる。
まぐ

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