seapony3000

まごころのseapony3000のレビュー・感想・評価

まごころ(1953年製作の映画)
5.0
石浜朗のピュアな魅力大全開大回転。ラグビーの練習で泥んこにまみれた朗のミラクルスマイルショット、舶来のワンコ可愛がり具合悪けゃりゃすぐ獣医。姉の淡路恵子とはしゃいで家中追いかけっこ。隣の貧乏アパートでは医者にもかかれない病床の野添ひとみが藁?麻紐で何のマスコット作ってんの?と思ったらクリスマスのオーナメント。裕福な朗んちの部屋のクリスマスツリーとの対比とともに一瞬一瞬の目線だけで静かに微かに交流をしていく若いふたりが眩しい。朗の涙にもらい泣きしている田中絹代と姉の淡路恵子はそれぞれに長男、兄を病気で亡くしているわけで。隣の知らない哀れな娘ではなく、その娘に一目惚れして助けたい一心で受験勉強頑張ったが涙を浮かべる可愛い孫に感激して泣き伏せる祖母の東山千栄子など。涙も人それぞれ。ラグビーコーチの須賀不二雄が善人で優しくて爽やかでいつもの不二雄とのギャップに驚いたり。木下恵介が朗のために書いたホン、を小林正樹が撮りました。生まれてはじめて一目惚れした朗が通学電車や街中で若い女子たちをクスクス笑いながら盗み見して、学友に「綺麗な人ってなかなかいないねぇ」って話すシーンが酷いけどイイ。そこはきっちりブスを揃えている。ここも木下恵介って感じ。鹿の編み込みニット着て自室でクリスマスソングを英語で歌う朗。輝きすぎてて目が潰れるわ。小林正樹デビュー作の「息子の青春」ラピュタの添え物特集すっかり知らずに見逃して自分が憎い。あーいますぐみたい。
seapony3000

seapony3000