ぴろもーど

サンパウロ、世界で最も有名な娼婦のぴろもーどのレビュー・感想・評価

3.2
真面目で少し根暗な女の子。どこにでもいそうな子だったけれど、あることがきっかけで家を出て娼婦の道へ。
『自立したい』というその意思の強さで、処女であったにもかかわらず1週間で30人もの男性に身体を許す。そしてラクエルという名を捨て、ブルーナへと生まれ変わります。みんなが嫌がるような相手にも満足させるようにと心がけ、ブルーナが相手をした客はほとんどブルーナのリピーターとなります。稼ぐ額が多くなってお金に囲まれ始めると、そこにもうかつてのラクエルの姿はありませんでした。しかし、予測はしていたけれどこうなってからのブルーナの落ちぶれ方は半端ない。
誰でもお金をもつとこうなってしまうのかな?
でも『男はみんな私に虜なのよ!』なんて言葉をブルーナに言わせたのは、ブルーナブルーナと囃し立てる周りの人間のせいでもあるんですよね。
ブルーナは昔からきっと自分のことを誰かに必要として欲しくて、その反面、自分は自立しているから誰も必要ない!なんて言えるような存在に憧れていたんでしょう。

ただ、人間そうはいきません。

誰だって支えは必要だと私は思います。この物語でもブルーナのことを支えてくれるブルーナが信頼できるような人物が登場します。

これが実話というだけに、かなり考えさせられます。娼婦という仕事について、ここまで考えたことはなかった。
周りから冷たい目線を浴びることはあるだろうけれど、ブルーナはそれを恥じることもしない。ほんと、かっこいい女でした。

そしてこの映画のすごいところは主演女優の演技の幅広さ。最初に比べ最後の方には身体もスレンダーに。撮影の為に頑張った様子も伺えます。