このレビューはネタバレを含みます
【 生きたモン勝ち 】
ウラの世界の、裏を取り合う壮絶な展開が凄まじい。裏切りは茶飯事で、昨日の友は今日の敵な展開のド緊迫アクション。一歩踏み違えれば、あの世行きで、それもエゲツない方法で殺(や)られてしまう。睨み合う男たちの不適な眼光が恐ろしい。一体誰が生き残り、頂点に立つのか。
結局のところ頂点を極めた者は、お調子者だけど絶大な権力を誇るチョン・チョン(ファン・ジョンミン)でもなく、背筋が凍るような冷酷さを見せるイ・ジュング(パク・ソンウン)でもなく、卓越した戦略を展開するカン刑事(チェ・ミンシク)でもなかった。なんと刑事として潜入捜査をしていたジャソン(イ・ジョンジェ)だった。市民の味方がウラの世界の頂点に君臨する壮絶ストーリーに度肝抜かれる。
ジャソンは「敵を全滅させて勝った!」というより、生き残ったのだ。争うべき相手が居なくなったとも言える。
結局のところは何事も、最後まで生き残った者が強者であり、勝者ではないだろうか。
強い者が勝つ世界は終わった。
生き残った者こそが強い世界なのだ。
これが、『新世界』である。
p.s. 登場する役者が適材適所であるし、皆本当に惹きつけるような演技であった。そこもまた、観ていておもしろかった。