ヒチ

親密さのヒチのレビュー・感想・評価

親密さ(2012年製作の映画)
3.8
「人と人が分かり合うということ」についての4時間。その話題は2人の男女の話題から暴力、戦争にまで飛躍していく。作中でも発せられる「好きだからじゃ駄目なの?」というひと言に満足できずその先の答えを求めてしまう人のための物語で、会話も戦争も演劇も詩の朗読もすべてその問いに答えるために存在する。最初は突如入り込む戦争の話題に当惑させられるけど、愛し合うことの対極として、殺す/殺さないという選択肢が提示されていることが最期のやり取りで判明し、恐らく難しい選択肢を選び生きていくであろう彼の成長とその頼もしさに救われる。

答えの出ない問いにもがき苦しむような4時間を締め括るラストの晴れやかさ。作中様々な意味合いを持たされていた列車を最後の最後でああ使うなんてズルすぎる。でも、これを観ると改めて『寝ても覚めても』が如何に上手く作られていたかが分かるな。
ヒチ

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