人間

危険なプロットの人間のレビュー・感想・評価

危険なプロット(2012年製作の映画)
3.5
かつて作家になることを目指していた高校の国語教師ジェルマンは、クロードという生徒の作文に心を掴まれる。彼の人間観察能力に秀でたものを感じたジェルマンは小説の書き方を個人指導するが、次第にクロードの小説は危うい展開になっていき……
映画自体が一本の小説のようで面白かったです。ジェルマンや妻のジャンヌのように視聴者も小説の続きが気になる構成になっているのが上手いです。途中から現実と妄想の区別が曖昧になり、私も翻弄されました。
途中「父・母・息子……パゾリーニか?」という台詞がありましたが、中産階級の家庭があるひとりの人物登場により崩壊していく様はまさにパゾリーニのテオレマでした。他人の生活を覗き見るというテーマを鑑みて、最後のシーンは裏窓のオマージュでしょうかね。
人間

人間