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ヴィック・ムニーズ ごみアートの奇跡のSariのレビュー・感想・評価

3.5
監督は『津波そして桜』(第84回アカデミー賞の短編ドキュメンタリー部門ノミネート作品)のルーシー・ウォーカー。第83回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門ノミネート作品。

▪️現代芸術家ヴィック・ムニーズ
ブラジルの英雄、現代芸術家ヴィック・ムニーズ(Vik Muniz):1961年ブラジル、サンパウロ生まれ。現在ブラジル、リオデジャネイロとアメリカ、ニューヨーク州ブルックリンを拠点に活動。
1990年代より、針金、砂糖、ダイヤモンド、チョコレート、色紙などさまざまな素材を用いて歴史的な報道写真や、美術史上の名作を再現することで、イメージの裏側に潜む真実を露わにしてきた。
母国ブラジルにある世界最大のごみ処理場の廃棄物を使って制作した「ピクチャーズ・オブ・ガーベージ」の制作過程を記録した、このドキュメンタリー映画「WASTE LAND」多くの映画賞を受賞、アカデミー賞ドキュメンタリー部門の優秀賞にも選出された。

ムニーズは活動拠点ニューヨークを離れ、故郷ブラジル、リオ・デ・ジャネイロへ。郊外にある世界最大のごみ処理場ジャウジン・グラマーショで、“カタドール”と呼ばれるリサイクル資材を拾い集める人々と運命的に出会う。彼らのポートレイト撮影を進めるムニーズは、ごみ山で集めたガラクタで、カタドールたちの巨大モザイク画を制作していく。そして作品の売却利益を彼らに全額寄付。経済的な点だけでなく、モデルとなった人々がポートレイトそのものを、歓喜に満ちた表情で眺める様子は、アートが希望とともにある幸福をまざまざと見せつける。
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