おぎこ

劇場版 STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)負荷領域のデジャヴのおぎこのレビュー・感想・評価

2.0
少し残念な劇場版続編
岡部の孤独な戦いとして後半展開されていたアニメ版に対し、映画中盤で主人公がくりすになった瞬間はくりすの孤独な戦いを期待させる胸熱な展開であり、ここまでは良かった。しかしながら実際の後半の展開はアニメ本編の流れに茶々を入れながらくりすが一個人としてどのような選択をすべきか葛藤するモノローグにすぎない。
この映画1番の失敗点は鈴羽を登場させたことだと思う。理屈の説明には必要なのかもしれないが、このキャラクターの存在でくりすの孤独な戦い的な要素はかなり弱くなってしまっている。また、これは本編中にも薄々感じる場面はあったが、リーディングシュタイナーの設定はこの劇場版では完全に裏目に出てしまっていると思う。
また、この劇場版はアニメ本編の内容にはほとんど干渉しておらず、それ自体は劇場版として作る上では素晴らしい試みだと思うが、結果としてこの内容であればこれを無かったことにして本編だけ楽しめれば良いと自分は感じてしまった。その癖して本編に少し絡んでくるのもまたモヤモヤする。言い方は悪いが、本当にあってもなくても良いくらいの干渉具合、という予防線を張った上で投げられるファンサービスのように感じてしまう。
早朝のアキバでのシーンや「さよなら」のオマージュ、最後の短い会話など好きなシーンはあるのでこの点数を付けるのは心痛いが、途中までの期待値が高かっただけに残念な作品だった。
恐らくアニメ本編を見返すことがあってもこの劇場版は見返さないだろう。
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