Aix

ラストタンゴ・イン・パリのAixのレビュー・感想・評価

ラストタンゴ・イン・パリ(1972年製作の映画)
3.7
惑星ソラリスや女王陛下の007などと並んでクリストファーノーランのインセプションの元ネタになった問題作。とあるマンションの一室で不倫をする男女の話。

如何にもノーランが好きそうな作品でした。今作は他のベルトルッチ作品同様に、ヴィットリオストラーロの撮影が美しく、映像だけでも見応えが凄かったです。色んな曰くが付き回っているとは言え、役者の演技も純粋に素晴らしかったと思います。ただ今作の本筋でもあった不倫の展開については、共感出来ない人も多いだろうし、当時17、8だったマリアシュナイダーが受けた扱いを知れば、よりこの映画に対する評価が下がってもおかしくはないです。

全体を通してざっくり言えば、妻を失ったクズ男が若い女とSEXしまくって立ち直れるか立ち直れないかって話なだけなんだけど、それこそインセプションにも出て来るフランシスベーコンの絵画とか、マーロンブランドが愛の実験を試みていたりするところとか、宗教を馬鹿にしているとか、ベルトルッチお馴染みのダンスシーンが美しいとか、諸々よく出来てはいるものの、何となく手放しでは褒め辛かったです。

ノーランのインセプションが好きな人は、とりあえず惑星ソラリス、女王陛下の007、それから今作を見ることをおすすめしておきます。
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