なまくらウォッチメン

間諜X27のなまくらウォッチメンのレビュー・感想・評価

間諜X27(1931年製作の映画)
4.2
面白い
未亡人の娼婦がスパイとなるも、敵国のスパイと恋仲になり任務との間で揺れ動いていく話
メロドラマではあるものの全編通して退廃的であり、主演のディートリッヒも強かでありつつもどこか虚無的な哀しさを帯びていて魅力的
酷くもどこか清々しさすら感じるラストが見事

ジョセフ・フォン・スタンバーグのサイレントからトーキーへの過渡期の作品で、故にあまり作品としての洗練さは感じなかったが、場面場面のオーパーラップが不可逆で不条理な展開とマッチしていてここは良かった
恋に殉ずる、というより初めからこの顛末を望んでいたかのような主人公像が1番好きだった