くろまめ

きっと、うまくいくのくろまめのレビュー・感想・評価

きっと、うまくいく(2009年製作の映画)
5.0
まさかこんなに長い作品だとは思わなかった。3時間は優に超える!
なのに、その長さを全く感じさせない程面白かった!
鑑賞後に湧いてくる不思議なやる気と、笑顔。
幸せになれる映画。って言っていいと思う!




学校って何しに行く所なんだろう?
勉強したり、暗記するだけなら自己学習でも問題無い。
良い企業に就職する為の肩書きの為かな?こんなに優秀な大学出身ですよーって。



ランチョーは全部違った。
純粋に新しい事を知りたい!って、それだけなの。
スポンジみたいに知識を吸収するし、余計な概念が無いから、行き詰まっても他のやり方を考えられる。



もちろん、不安や心配な時もある。
そんな時は魔法の言葉がある。
「きっと、うまーくいく」この言葉とても素敵!
笑顔になれるおまじない!




ボリウッドらしいダンス&ミュージックのシーンもしっかり盛込まれているこの作品。
セットとか衣装は一瞬あれ?ディズニー?って錯覚する時もあるけど、インドならではの独特なリズムに、やっぱりインド映画なんだなって実感する。
きっと血に音楽とダンスが染み込んでいるんだと思う。
楽しそうで、観てるこっちまで身体が揺れてしまう。
一緒に踊ったら楽しいだろうなぁ。





冒頭はなんのこっちゃと思って観ていたけど、ランチョー登場で一気に面白くなって来る。
あんなに自由で、生きた工学を楽しんでいる人に、ただの丸暗記の頭でっかちが敵う訳ないんだよね。
だって、これはどうなっているんだろう?
もっとこうならないかな?って疑問があるから、解決の為に発明や研究欲が湧いてくるんだもん。




ファランのお父さんとのやり取りや、ラージューの病院でのシーンには思わず泣かされるし、サイレンサーのスピーチには笑うし、1粒で2度おいしい所か、何度でもおいしい!って内容が盛り沢山なんだよね。




ピアがメガネでも素晴らしく美人だったし、竹を割ったような性格で、典型的な令嬢じゃなかったのが高感度大だった。
ランチョーとお似合い過ぎ!
ああいう気の強い同士のカップルって、見てると楽しくなって来るよね。




まさかのどんでん返しがあったり、実はインドの深刻な社会問題をディスってたりで、お気楽に茶化しているだけじゃないのもスパイスになっている。
流石、スパイスの本場は効かせるのが上手い!




この作品の忘れちゃいけない重要人物に、ウイルス校長!
人を枠に嵌めて、それ以外は落ちこぼれって二択しかない典型的な石頭!
すっごくムカつく時もあるんだけど、この人いないと、ただの悪ふざけしてる学生ムービーになっちゃうから、重要!
あのウイルス校長が、赤ちゃんに1番最初に言う言葉が泣かすし、心があったまる。




宇宙飛行士のペンの下りは大好き!
確かに、わざわざペン1本の為に開発をしなくても、鉛筆でいいじゃん。って、感心した。
でも、そのペンが巡り巡ってストーリーのキーワードになっている。
ランチョーは確かに天才だけど、間違っている事もあるって、好きなシーン!



学校って勉強だけじゃ無い。
知らない事を知って、可能性を広げたり、新しい知識を楽しむ為に行くんだよね。
それから、1番大事なのは友情!
大人に邪魔されたりしながらも、一緒に乗り越えて、さらに絆が深まる友達はやっぱり家の中では作るの難しいもんね。
馬鹿やって騒いだり、一緒に泣いたり出来る友達がいるのは本当に素晴らしいな。って感じた。
あー、友達に会いたい!って思っちゃった。




ラージューの家のモノクロとか、お父さんとのスクーター相乗りが笑いまくった!
ファランの結婚相手はまさか?!ってハラハラしちゃった。
それはそれで面白そうだけど笑



主役のアミール・カーンはランチョー役の為に当時44歳なのに、是非やりたい!って言って肌をフレッシュにする為に1日4リットルも水を飲んでいたらしい。
役者ってすごい!




ちなみに、『したまちコメディ映画祭』で上映された時は『 3バカに乾杯!』って邦題だったらしい。
ちょっと昭和チックだよね。
私は今の題名の方が好き!



この作品はDVD買って、元気になれるおまじないとして、手元に置いておきたいなぁ。そんな気持ちになる程大好きな作品でした。
くろまめ

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