Ryu

インポッシブルのRyuのレビュー・感想・評価

インポッシブル(2012年製作の映画)
4.0
母 マリア、父 ヘンリー、長男 ルーカス、次男 トマス、三男 サイモンのベネット一家はタイのリゾート地でクリスマス休暇を楽しんでいた。そんな時にスマトラ沖地震による津波が押し寄せてきて、家族は離れ離れになってしまう。

2004年12月26日に発生したスマトラ沖地震による津波に巻き込まれたスペイン人一家の実話を基にした作品です。
押し寄せてきてくる津波、様々なものが流れる濁流の映像がスゴく迫力があって、リアルに怖かったです。
ナオミ・ワッツ演じるお母さんが重症を負うのですが、これがなんとも痛々しい。えぐれた傷、流れ出る血、そして悲痛な叫び、もう見てられません。お父さん役のユアン・マクレガーの演技も見事でした。電話してて思わず泣き出してしまうシーンなんかは、もらい泣き不可避です。そして頼もしい長男くんを演じたのは、今作がデビュー作となったまだ子供のトム・ホランド。最後まで全然気付かなくて、エンドロールで「あぁ〜、トムホや!」ってなりました(笑)。お母さんを助け、色んな人を助けようと奮闘しており、この頃からスパイダーマンの素質アリですね。
災害に遭ったら、自分が生きるだけでも精一杯なはずなのに、みんなが助け合って頑張っている姿が胸に沁みます。
ベネット一家は被災者の中では運がいい方なのかな と思いました。こんな状況ではあのようなラストを迎えれる人の方が圧倒的に少ない と思います。ラストシーンでの母の腕に間違えて書かれた別の患者の名前、父が持っていた、別の被災者が捜してる家族の名前。ああやって名前を文字として見せられると、良い結果を迎えることができなかった人もたくさんいることを改めて実感します。
あらすじとしては、家族が津波に巻き込まれる というシンプルなものにはなりますが、臨場感のある映像、そして家族のドラマが一級品で、非常に見応えあるし、感動も覚える作品 となっていました。
自分は今まで大きな災害に遭ったことはありませんが、そういう人こそ観るべき作品だと思います。
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