2024年 85本目
TVシリーズでは描かれなかった番外編。とは言っても物語的にあまり変化はなく、母である皐月の学生時代に心を動かされる緒花を描いている。
私が特に面白いなと思った設定は、皐月と緒花の "輝きたい動機" は一緒であるが、似て非なるものということ。
学生時代の皐月も緒花と同じようにスイ(女将)を反面教師として家出をしようとしますが、最終的にはしっかりとやりたい事を決めて上京します。緒花は逆に東京から石川に行き、終盤まで自分の気持ちに決心がつかず、やりたい事も分からない。ここの違いが良かった。
緒花にとってはずっと大人だった皐月も、学生時代は自分と同じ境遇にあったと知る所も親子の一面が見られて良かった。
そして皐月が大人になったことで、当時の自分には分からなかったことを理解することができた一面も良かったですね。緒花にもいつかこの時が来ると思うとまた心が温かくなる。
今作を見るとTVシリーズのぼんぼん祭りにて、緒花の「四十万スイになりたい」という願いの良さがまた引き立ちます。皐月にとっての反面教師に緒花がなろうとしている。この四十万家3人の似て非なるものがまさに家族であると感じた。
