山中潤一official

クロッシング・デイの山中潤一officialのレビュー・感想・評価

クロッシング・デイ(2008年製作の映画)
3.0
イーサン・ホークとマーク・ラファロのダブル主演の作品。

どこにでもありそうな話だからこそ
刺さる人が多いのかなとも思うけれど

ブライアン(マーク・ラファロ)の奥さんも
子どもには父が必要なのって言葉を口酸っぱく言うんだけれど、
それってほんまに?って感じにしか聞こえない。
奥さんが精神的責任転嫁する先として
旦那であるブライアンが欲しいだけで依存してるだけだろとしか思えない。

ブライアンもポリー(イーサン・ホーク)も
お金が欲しいわけじゃなくて
やりがいとか必要とされてるとか正当な評価やその評価の理由とかが欲しいはずなのに

何するにも必要な金という
「無限の可能性」を欲しがって
結局、可能性を縮めてるという矛盾の中で
現実を生きられず、プライドの中に生きていた。

ゴロツキから仕事をもらって生計を立てた15年、その後ムショに入って7年
21年も自分と見つめ合わずに生きてきて
逆にしんどくないのかって思う。

仕事にも生活にも困らない刑務所に逃げるのか
とのセリフは、この物語の根幹を担ったセリフだと思う。

誰にでもやり直すチャンスはあるけれど、
どうやってやり直せばいいかは誰も教えてくれないし、仕事だって簡単に見つからないしそもそも続けられない。

お金だって、ガス代に子供の学費
刑務所にいたころには考えもしなかった支出なんだと思う。

刑務所って必要だけれど
そんな人間をつくった教育システムが問題だと思うし、家庭環境を劣悪にしているのも
低所得者が多くなっているからだと思う。

まぁ、それでも、本人がおかしくなってるんが1番の原因なんだけどさ。

映画としては、
誰にも勧めることもないような内容だけれど
こういう映画って、ある日ふとした瞬間に思い出しちゃうんだよな。

ブライアンはすごいよ、
酒もコカインもやめてさ。

ポリーが
現金輸送車を襲う選択肢しかなくなってたのって俺が思うに現実の方が刑務所だったんだろうな。

悪徳刑務官をボスにして
小金稼いで、それなりの評価をされてるのが心地よくて、そのうちその場のお山の大将ってやつになれればそれが心地よかったんだろうな。

考えてない「逃げる」選択ほど見てられない共感できないことないな。