安堵霊タラコフスキー

ホテル・テルミニュス 戦犯クラウス・バルビーの生涯の安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

2.0
アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を実は受賞していたこの作品、残念ながら自分の肌には合わないものとなっていた。

というのもこの作品はリヨンの屠殺人とあだ名され第二次大戦期の大罪人と見なされているクラウス・バルビーという男についてのドキュメンタリー映画なのだけど、似たテーマを持つショアーの尺を半分にしてインタビューの比率を多めにしたような内容となっていて、情報性が強い故に殆どインタビューで構成される映画を苦手とする自分にはこのインタビュー映像の連続による長尺は堪え難いものだった。

様々な関係者らを訪ねてインタビューを録った労力は相当なものだってろうとは思うし、訪れた場所の光景にはリャマがいる草原とか良いものもあったけど、全体的な作風や構成にはうんざりさせられて仕方がない。

やはりドキュメンタリー映画であっても自分は言葉に頼らず映像の情感で語る、ソクーロフやゲリンが撮ったような作品の方が断然好きだ。

それにしてもこんなドキュメンタリー映画をあのマックス・オフュルスの息子が撮ったなんて、色んな意味でとても信じられない。